築50年の鉄骨住宅。長年住んできたが
夏は「暑すぎる」
冬は「寒すぎる」
120坪の巨大な家だが室内環境はさほど外と変わらず、
冷暖房を各個室で全開可動しても、夏は涼しいまでいかず、
冬は暖かいまでいかず。この住環境を変えるには?
友人宅に遊びに行くと、以前と大きく様変わりしていた。
室内環境は快適で、デザイン性も高くとても驚いた。
「何処で?リフォームしたの?」
その業者を聞き出し、直ぐに連絡を取る事にしてみた。
築50年の鉄骨住宅で120坪の巨大な家で増築を2回程したように見えます。北側の外壁は苔むしており汚れがとても酷く、サッシはシングルガラスで所々の動きが相当渋くて開け閉めが大変。内部はその当時(30年前ぐらいかな?)の内装で古さを感じますね。間取りも増改築を繰り返した時に、あまり考えず「仕方が無いよね」みたいな感じで造ってあります。
2月にお伺いしたのですが、ストーブを焚いても、さほど暖かくならず、底冷えがします。どうやら床・壁・天井に一切断熱材が入っていないような気がします。今では断熱材は当たり前ですが、今から30年ぐらい前までは「断熱」という考えがあまりありませんでした。これはその時代の住環境に対する考え方であって、手抜き工事でもありません。ただ、50年ぐらい前の鉄骨の建物ですので、それ相当の覚悟がお互いに必要になりそうです。
①断熱・気密性能を上げる
②内外装の変更及び2世帯住宅にする
となるようです。まずはこう考えました。
「広すぎる床面積を少なくし効率よくする」
現在120坪の面積がありますが、殆どが使われていない?物置の様に扱われており、ほどんどの物が使用しないものが多いように気がします。これをいったん整理します。整理する事によって40坪ほど建物の面積を縮小する事ができます。これは工事価格に大きく反映してきますので、とても重要な事です。
「断熱材を入れる」
壁・床・天井は調査の結果”無断熱”でした。屋根面をささえるデッキプレートは錆が至る所に発生しており、結露が常に発生していたようです。ここは断熱材を入れ結露を抑える必要があります。
「構造体」
また、構造の鉄骨部も調査しましたが特に問題も無くこのままで大丈夫な様です。
「開口部」
サッシは全て入れ替えし、間取りに合わせて一部のサッシ位置を多少変更します。また玄関の位置も変更するので玄関サッシも断熱玄関サッシにします。
「基礎」
鉄骨造なので、鉄骨の柱を受けている基礎は地面下にあり特に問題なさそうです。地面上にある布基礎に少し問題がありました。一部が破損しており、床下通気口が外れたり、埋まっていたりしています。1階部の床下は土のままで、一部シロアリ被害を受けていました。防湿シート+コンクリートで湿気とシロアリ被害を食い止めます。これは相当効果的で長期に渡り床下空間を快適な状態で維持し床・床下地の劣化や腐食にシロアリによる被害を食い止めます。
「間取り」
間取りは2世帯とし、玄関の位置も大幅に変更。1階を両親。2階を息子さん家族の住まいにします。浴室は共通としており、キッチンは各階1つづつの合計2ヶ所とします。洗面は各世帯ごとに1づつ設置しています。お風呂だけ共通となり、残りの水回設備は各世帯ごとに配置しています。
さて、まずは大きく変貌を成した外観をご覧ください。(画像にマウスポイントを当てると、古い時の建物に切り替わります)
1階の親世帯は静かで自分の時間を大切にしたいという要望でしたので、ご夫婦それぞれの「趣味」を間取りに取り入れます。奥様は裁縫がとても得意でご近所の方と一緒に裁縫教室をしています。その為、裁縫が出来る部屋に生徒さん達がいっしょになってできる部屋が必要でしたので、裁縫室が設けられています。
多数の人が出来るするので、プライベート空間との住み分けも重要になりますが、LDK等は”お茶菓子”等を提供する為、頻繁に出入りする事も考え壁の高さと同じ大きさの建具で間仕切を設けてあります。この建具を開放する事により、LDKの大きさが変わり、お客様の見えない時は建具を開放し大きな空間として使用できるようにしました。
旦那様は、とても物静かな方で読書に歴史の研究をしゅみとしているようで、多数の本と一緒に広すぎず、狭過ぎない空間で楽しめるようにしています。
本好きな方は理解していらっしゃると思いますが、本と言うのはたくさん集まるととても重く、また本のサイズもマチマチだったりします。その為に本棚は壁一面に棚を配置し、その棚は可動式になっており本のサイズに合わせて棚の高さを変更できるようにしています。また、大変重いので厚み30mmの板を棚板として使用し本の重量に耐えられるようにしています。
以前は本の山に埋もれていた感のある部屋でしたが、改装を機にスッキリと整理整頓された書斎に生まれ変わりました。
若夫婦の世帯は子育て世代ですので、LDKは大きく広く取っています。元々十分な大きさを持つ空間でしたので問題も無く仕上がっています。鉄骨造の特徴は「大きな空間が造れる」といったことにあります。木造では空間の大きさに限界があり。大きな空間を作ろうとすると、どうしても柱が必要となってきますが、鉄骨ではこの柱の間隔を大きく取れるので柱の無い大きな空間が可能となります。
広々としたLDKにしたのは他にも理由があります。子供部屋は各部屋有り個室化していますが、あえて広くはしていません。特に不自由なく過ごせれば狭くて構わないと思うからです。子供部屋の快適化は閉じ困ってしまう原因にもなり、家族コミュニケーションがとり図らくなってしまいます。その為、敢えて狭くし必要最小限のものが置ける空間とします。
しかし、広いLDKがあれば狭い空間から脱出しLDKで過ごすことにより、家族コミュニケーションがとりやすくなると考えています。
若夫婦のご主人も書斎を持っています。しかし、この書斎はアクティブな活動をする拠点としての書斎で、なんとも男前な書斎となっています。春から秋にかけてはルアーフィッシング、冬季はスノーボードと常にアウトドアなご主人は、この部屋に色々なギアを収納し整理整頓しています。また、仕事の疲れを癒す空間でもあり、様々なアウトドアに挑戦し続ける部屋でもあります。ちなみにご主人は元プロスノーボーダーでもあります。
様々なアクティビリティーに対応するギアを収納する為に、初めは棚をお勧めしましたが、どんどん変化する環境で様々な形態に変化させたいという思いから、敢えて収納棚を無くし、既製品等を組み合わせて収納や整理整頓をしています。
この画像は1階の玄関から続く収納スペースで、全長で7mもある巨大な収納です。
玄関に通じているので、ここに収納する事により、家に出入りする際に殆どの物がここに収納する事ができ、
また、出かける際にも取り出しやすい配置になっています。
建具も全て通気可能なルーバーの建具になっており、押入内部の換気にも一役買っています。
Fideaオリジナルの洗面化粧台です。
ほぼ毎日使用する洗面化粧台がお洒落な感じですと毎日のテンションが上がります。鏡付き収納も扉式ではなく、引き戸にすることによって鏡の位置を変更したり、扉の開け閉めのわずらわしさがなくなります。
もちろん、シンプルな鏡に額縁だけ、なんてスタイルも良いかもしれません。 洗面ボールも多種多様な形、サイズから選択する事ができます。
また、陶器だけではなくガラスボールや絵柄等が入ったものも選択できますし、和風調の器のようなボールを選択可能です。 水栓金具もシャワー式からシンプルなデザインに、モダンデザインと様々なものを選択可能です。
そして目を引く背面のデザインですが、これもタイルから汚れが落ちやすいパネル等から選ぶ事ができ、木調から陶器、パネルとお気に入りのデザインの中から選ぶことが可能です。 貴方だけのオリジナル洗面化粧台を作る事が可能です。