ペアガラスなのに結露する?

新築なんだけど、窓ガラスがベタベタになってる・・・

本格的な寒さが到来してくると、こういった話をよく聞き相談されます。

@⑦窓の結露がすごいんだけど・・・@

結論から言うと

@⑦結露は起きる時に起きます。@
としか言えません。新築で高性能であろうが何だろうが結露は起きるときに起こります。自然には勝てません。


但し、この起きるポイントを変更することは可能です。また、制御することも可能です。では一体”結露”を制御して変更するにはどうしたら良いのでしょうか?

ここからは難しい話ですが理解すると簡単なことです。

@⑦なぜ”結露”は起こるのでしょうか?

         また、なぜ”結露”すると困るのでしょうか?@

@④結露が起こる仕組み@
結露は空気中に含まれる水蒸気が空気中より放出された時に発生します。どのような時に放出されるのでしょうか?中学生ぐらいの時に勉強した「飽和水蒸気量、飽和水蒸気圧」という言葉を思い出してください。空気の中に含まれる水蒸気のことですが、解り易く言うと”湿度”ですね。空気の温度によって、空気に含める水蒸気の最大の量は決まっています。温度が高い空気は沢山含めて、低いと沢山含めません。


気温30度に含める水蒸気の量は30.38g/立方メートルです。
気温10度に含める水蒸気の量は9.41g/立方メートルで、
どちらも湿度100%と言われる状態です。


30度=30.38g 10度=9.41g で、水蒸気の量の差は20.97g/立方メートルとなります。30度で湿度100%の空気が10度まで下がると、10度の空気は9.41g/立方メートルしか水蒸気を確保できないので、20.97g/立方メートルの水蒸気は空気から放出されになります。この放出された水が結露水というものです。これは地球上どこでも起こる現象です。

以下に空気線図という図式を載せておきます。

この空気線図の見方は結構めんどくさいのですが、理解できると結露に対して理解が深まります。計算式でも求めることができます。

さて次に
@④なぜ”結露”すると困るのか?@
建物に限って説明しますが、建物内で結露するとなぜ困るのでしょうか?それはアチコチが水だらけになってベチャベチョになるからですね。拭くのが面倒臭いし、なんか汚くなるし。

でも、上記の事は表面上の事で、もっと重大な事が起こります。それは

@⑦建物を壊す@

といった重大な危機が訪れます。水はとても大切ですが、必要ない所では”破壊”を引き起こします。1滴の水が石に落ちて何年もすると石に穴が開きます。木造住宅の場合は水が木につくと腐れを起こし腐敗させます。鉄骨は錆びさせます。コンクリートは苔等を発生させます。建物を破壊させる要因の一つに”水”という存在が大きく係わっているのです。


大金をかけた建物が破壊されるのは辛いものです。実際建設業に30年近く携わっていると、建物を破壊するのは”水”と言うことに気が付きます。もちろん多くの人が知っていることですが、理解してこの”水による破壊”を実際目の当たりにするとビビります。



左の画像は、水の浸食によって破壊された木造住宅の構造部分で、重要な通柱、土台が完全に腐っています。新築して10年ちょっとの建物です。ここまで主要構造部が破壊されていると、修理するには莫大な費用がかかります。下手すると建て直しした方が良いレベルまで来ている時もあります。築10年チョットで建て替えなんて考えられませんね。

結露と雨漏れが引き起こした@①壁体内結露@というものです。窓サッシ・ガラスに結露しているのと同じことが壁の中で起こりました。

結露は@⑦恐ろしい@ということが、理解して頂けたでしょうか?

この結露をさせない建物は長く使うことができます。そこで当初の「ペアガラスでも結露するの?」に戻っていきますが、前振りが長くなってしまったので

@⑧次回に続く!!@

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