@⑦住まいの断熱は@ How should you insulate your home? Inside or outside?

建築物省エネ法(正式名称:建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)は、建築物の省エネ性能を向上させるために制定された法律です。

2025年4月からの
「適合義務化」
これまで住宅の省エネ基準は「努力義務」や「説明義務」が中心でしたが、2025年4月以降に着工する原則すべての新築建築物(住宅・非住宅問わず)に対して、国の定める省エネ基準への適合が義務化されます。
対象: 戸建住宅、共同住宅、オフィス、店舗、工場などすべての新築・増改築
影響: 基準に適合しない場合、建築確認証が交付されず、
着工できなくなります。

現在、新築住宅に求められる最低ランクは
●断熱等性能等級: 「等級4」以上

●一次エネルギー消費量等級: 「等級4」以上


※2030年には、さらに厳しい「ZEH(ゼッチ)水準(断熱等級5・一次エネ等級6)」が最低基準として義務化される予定です。
となっています。
このような事から、断熱性の飛躍的なUPとより省エネルギーな製品の使用が求められるという事になります。

*B*①住まいの断熱材について

断熱材には様々な種類があり、使用される場所によって使い分けしている事が大いです。そうなるとどれを使えばいいのか?一般消費者には分かりにくい問題です。

ではどんな断熱材を使えばよいのか?今まで通りの主流である壁ですと、グラスウール断熱材でもOKですが、このグラスウール断熱材の密度と厚みが変わってきます。従来で多く使われてきたのがグラスウール10kg/100mmですが、建物省エネ法から見ると、基準に達しない場合があります。クリアーするには厚みを増やすか密度の大きいもの、もしくは高性能グラスウールに変更しなければなりません。(下記表を参照)

しかし、厚みを上げても、その場所に入らない厚みであれば元も子もありません。

となると、断熱材の材質を変えて、厚みが無くても高性能な断熱力のあるものを選ぶことになります。

建物で採用される断熱材は、大きく分けて「鉱物系」「石油系」「自然素材系」の3つのカテゴリーに分類されます。

*B*①鉱物系(繊維系)

1. 鉱物系(繊維系)

安価で燃えにくいため、日本の住宅で最も普及しています。

●グラスウール: ガラスを繊維状にしたもの。コスパ最強でシェア1位。

●ロックウール: 岩石を原料とした繊維。グラスウールより耐火・耐熱性が高い。

*B*①石油系(プラスチック系)

2. 石油系(プラスチック系)

プラスチックを泡立てたボード状のものが多く、湿気に強く断熱性能が非常に高いのが特徴です。

● 硬質ウレタンフォーム: 現場で吹き付けるタイプとボード状がある。気密性を高めやすい。

●ポリスチレンフォーム:ビーズ法 (EPS): いわゆる発泡スチロール。軽くて水に強い。

●押出法 (XPS): 密度が高く硬い。床下や基礎断熱によく使われる(商品名:スタイロフォームなど)。

●フェノールフォーム: 非常に高い断熱性能と耐火性を持つ。経年劣化も少ない(商品名:ネオマフォームなど)。

*B*①自然素材系(木質・天然繊維系)

3. 自然素材系(木質・天然繊維系
環境負荷が低く、調湿性能(湿気を吸ったり吐いたりする力)を備えています。

●セルロースファイバー: 新聞紙などの古紙を再利用。吹き込み工法で隙間なく施工でき、防音・防虫性も高い。

●ウッドファイバー: 木質繊維が原料。熱容量が大きく、夏涼しい家に向く。

●羊毛(ウール): 羊の毛。調湿性が非常に高く、内部結露を防ぎやすい。

●炭化コルク: ワインの栓の端材などを再利用。防腐・防虫効果がある。

*B*①断熱材選びのポイント

断熱材選びのポイント

断熱性重視なら: フェノールフォームや硬質ウレタンフォーム。

コスト重視なら: グラスウール。

結露・防音対策なら: セルロースファイバー。

断熱材は「種類」も大事ですが、「厚み」と「施工の正確さ(隙間のなさ)」が性能を大きく左右します。

*B*①高性能グラスウール表

密度

熱伝導率

熱抵抗値

特徴や主な用途

高性能10kg

0.043 W/m・K

2.3 ㎡ k/w

100mm厚でR値2.3を確保。コストを抑えた充填断熱など。

高性能16kg

0.038 W/m・K

2.6㎡ k/w

最も一般的。 多くのハウスメーカーで壁の標準仕様。

高性能24kg

0.036 W/m・K

2.8㎡ k/w

ZEH水準や寒冷地向け。より高い断熱性が必要な場合。

高性能36kg

0.033 W/m・K

3.0㎡ k/w

ハイグレード仕様。薄くても高い断熱力を出したい箇所。

*B@⑦断熱性と気密性の関係

断熱性と気密性は、どちらが欠けても快適な家にならない「車の両輪」のような関係です。
よく「断熱は魔法瓶のケース、気密は魔法瓶のフタ」に例えられます。

1. なぜ「気密」がないと「断熱」が台無しになるのか?

どんなに分厚い高性能グラスウール(断熱)を使っても、隙間(気密)だらけだと以下の問題が起こります。
漏気(ろうき): 冬、温めた空気が隙間から逃げ、外の冷気が足元から入ってきます。
断熱材の性能低下: 繊維系断熱材(グラスウールなど)の中に冷たい空気が入り込むと、断熱材としての機能を果たせなくなります。


2. 気密性能が「壁内結露」を防ぐ
気密性が低いと、室内の湿った空気が壁の内部に入り込みます。
壁内結露の発生: 壁の中で冷やされた空気が水滴となり、断熱材を濡らし、柱を腐らせる原因になります。
断熱材の寿命: 濡れたグラスウールは重さで沈んでしまい、断熱欠損(断熱材がない隙間)を作ってしまいます。


3. 24時間換気を正しく機能させる
法律で義務付けられている「24時間換気」は、家がしっかり密閉されていないと正しく動きません。
ストローの穴と同じ: 穴だらけのストローで吸っても飲み物が上がってこないように、隙間が多いと換気扇の近くの空気だけが入れ替わり、部屋の隅の空気は淀んだままになります。


結論
断熱性(UA値): 「熱の伝わりやすさ」を防ぐ(スペック上の性能)。
気密性(C値): 「隙間の多さ」を防ぐ(施工の丁寧さの証明)。
高気密・高断熱が一番良いとなりますが、建物の価格がUPします。また、その換気システムが電気と機械で動いている為、劣化して故障したり、昨今の災害で電気が止まるかもしれません。また、少額ですが電気代や機械修理等が住んでからかかります。今後歳を重ねて高齢になっていった時に、これらが起こると非常に困ります。最終的にはこれらに頼らずに、自然の力で換気できるものを考えていく必要があると思います。

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